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金とプラチナはどのように値上がりしているの?

金とプラチナの値上がり
はじめに

金やプラチナは結婚指輪や婚約指輪のほか、一般的なジュエリーとしても人気の高い貴金属です。幸せの象徴として指元に輝く金やプラチナの指輪は結婚するふたりにとってまさに憧れであり、新しい門出に欠かせないアイテムでしょう。
金やプラチナは新婚夫婦や若い人たちの間では基本的におしゃれ感覚で身に着けて楽しむものですが、1つの資産として考えたとき、その価値はどれくらいになるのでしょうか。

この記事では金やプラチナの価値を客観的に理解するとともに、値段はどのように移り変わっているのかをご紹介します。

1.金の価格推移

金はあらゆる金属の中で最も人気が高く、宝飾品としても資産としても世界中から高い注目を集めています。安定資産とも言われる金ですが、現在に至るまでどのような値動きをしているのでしょうか。
意外にも、そこには時代の流れによる大きな変化が見られました。

1-1.20年前と比べて5倍も値上がりしている

まずはNYダウチャートからの金の価格の推移を見てみましょう。

NYダウチャート・金
金の年次平均価格は1999年では1グラム当たり平均1,069円でしたが、2019年8月の最高値は5,638円(8月16日現在)で、この20年でなんと約5倍も値上がりしています。これは1980年前後のバブル期に匹敵する価格で、近年は高値で推移していることが分かります。

値上がりの要因の一端は国際情勢や金融不安にある

金の価格がここまで上昇した要因はさまざまありますが、不確実な国際情勢や金融不安がその一端にあります。2001年に起こったアメリカ同時多発テロや2008年のリーマンショックなどにより株や為替をはじめとする信用経済に不安が高まると、おのずと実物資産である金に注目が集まってきます。

というのも、資産運用の方法は株や為替、国債、外貨預金などいくつもありますが、国の財政が悪化したり会社が破たんしたりしたらその価値は一気に下がります。最悪の場合、ゼロとなることもあります。
いっぽうの金は「目に見える現物」として存在し、世界的に一定の価値が認められているため、価格がゼロになるリスクは基本的にないと考えられています。
また、地球上に存在する金の量は限られているため、需要が高まると必然的に値段が高騰する仕組みとなっているわけです。

1-2.金は安定しているといわれる理由

一般的に、金の相場は安定しているといわれています。もちろん金も価格の上下変動はありますが、他の株や債券に比べたらリスクが少ないことは先に述べた通りです。

改めて、金が安定しているといわれる理由をまとめてみましょう。

  • 現物として存在する
  • 地球上にある絶対量が決まっていて希少価値が高い
  • 人工的に製造することは難しい
  • 信用リスクが少ない
  • 世界的に価値が認められている

ただし、実際にこの20年で金の価格が高騰しているように、相場に値動きはつきものです。
「金は価値がなくなることはないから」と安心しきっていると損をする可能性もあるので、油断しないようにしましょう。

1-2-1.純金積立は根強い人気

純金積立は、比較的安心して始められる投資として根強い人気があります。純金積立とは毎月一定の金額を積み立てながら金を購入する方法で、月額1,000円程度の少額から始めることができます。
一部の貴金属販売会社や証券会社の他、最近ではネット銀行でも取り扱っていて、各社ともオンラインで始めることができるため、手軽な投資として初心者の需要も高まっています。

1-2-2.純金積立の特徴

純金積立は、基本的に金そのものを手元に置くことはありません。純金積立を取り扱っている会社にお金を預け、買付報告書などで保有している金の資産状況を確認します。
いわゆる金の延べ棒を購入する「金地金」と比べると、管理保管料がかからずコストを抑えることができます。
解約時には現物化や現金化することも可能で、選択の自由度が高いことも魅力の1つです。

金相場はリスクが少なく安定しているいっぽう、短期間で利益を出したり大幅に儲けを生み出したりすることは難しい側面もあるため、投資の目的を明確に持ってから始めることをお勧めします。

1-3.インドでは金は特別な意味を持つ

ジュエリーとしても投資対象としても世界的に人気の高い金ですが、特にインドでは特別な意味を持っています。
インド人の多くは、特別な日に限らず、普段から自分の体を飾るために宝石を身に着けています。なぜなら貴金属(特に金)は縁起の良いものとされていて、金を身に着けることで幸運と繁栄がもたらされると信じられているからです。
ジュエリーとしてはもちろんのこと、投資対象としても金は圧倒的に信頼されていて、インドでは特に需要が供給を常時上回っている状態です。

1-3-1.金は結婚式の必需品

インドでは、結婚するときに金の装飾品を花嫁に贈るのが基本です。豪華か質素かの違いはあるものの、どのような階層の女性であっても金を身に着ける習慣があり、インドの富裕層や上流階級では結婚式に金の宝飾品を用意することが当たり前とされています。
ちなみに金は神聖な存在と見なされているため、一般的に足の指や足首に着けることはなく、顔や首・手元を飾るために着用します。

1-4.金の密輸で捕まる人が多数

日本では、金の密輸をして捕まる人が急増しています。金を密輸して日本国内で転売すると、消費税分がそっくりもうかることがその一因として挙げられます。
そもそも金の価格は世界のどこで買っても同じで、しかも非課税です。ただし外国で20万円以上のものを購入した場合、税関で申告して消費税を払う義務があります。そこに目を付けた密輸団が金を隠して持ち込むことで税関での支払いを逃れ、国内で売却した時の消費税分の金額をそのまま懐に入れるという仕組みです。

近年の金相場の急騰と、5%→8%→10%と消費税が上がる日本国内の経済事情が相まって、この犯行に手を染める人が後を絶たない現状です。

当然のことながら、警察当局も金密輸に対する捜査を強化しています。
税関での手荷物検査は厳しく、不審と思われらすぐに金属探知機で検査されます。たとえ売却までこぎつけたとしても、不自然な取引はすぐに監視対象となることは間違いありません。

2.プラチナの価格推移

プラチナも金と同様、ジュエリーとしても投資対象としても世界的に高い関心を集めています。しかし同じ貴金属であってもその性質は異なり、金とプラチナでは値動きに差が生じていることが分かります。

プラチナ価格の推移を金と照らし合わせたグラフで確認してみましょう。
(出典元:金プラチナ相場情報Let’s GOLD
NYダウチャート・プラチナ

2-1.プラチナと金の価格が逆転

かつて、プラチナは金より相場が高いのが当たり前のように考えられていました。しかし2015年を境に価格の逆転現象が起き、その差は徐々に開きを見せています。
プラチナは金より産出量も少なく希少性が高いにもかかわらず、なぜ相場が逆転したのでしょうか。その原因の一端は、プラチナの用途別需要と産出国にあります。

2-1-1.工業用としての需要が大きい

日本ではプラチナというと宝飾品のイメージが強いですが、実際には6割以上が工業用としての需要です。中でも自動車触媒としての需要が最も高く、プラチナの価格は自動車の売れ行きに影響される側面があります。
さらに、自動車触媒向け需要としてプラチナと並びパラジウムの存在も見逃せません。パラジウムはプラチナより安価な貴金属として注目され、需要が高まりました。それがプラチナ価格の下落にもつながっています。
しかし今やパラジウムはプラチナと同様またはそれ以上の高値が付くときもあり、プラチナ価格は今後もパラジウムの値動きに影響を受けることが予想されます。
プラチナの価格変動が大きくなる性質は、この自動車市場の動向によるところが大きいといえるでしょう。
いっぽうの金は5割以上が宝飾品としての需要で、工業需要はわずか1割程度であることから、比較的相場が安定していて投資家に好まれる傾向にあります。

2-2-2.産出国が南アフリカに集中している

金の産出国は多数の国に分散しているのに対し、プラチナの産出国は南アフリカが70%以上と大きな割合を占めています。南アフリカは経済の低迷や政治的混乱の中で為替レートも下落基調が続いているため、それがプラチナ価格にも影響を及ぼしている現状があります。

2-3.日本では金よりプラチナの結婚指輪が圧倒的に人気

世界的に見ると工業用としての需要が高いプラチナですが、日本ではジュエリーとしての人気は金より高く、特に結婚指輪や婚約指輪の市場では圧倒的な存在感を放っています。

その理由としては次のようなことが挙げられます。

  • 金よりも希少性が高いことに価値を見出している
  • 金よりも控えめな輝きが、主張し過ぎることを好まない日本人の性格に合っている
  • シンプルな白い輝きは日本人の肌に品よくなじむ
  • 皇室で愛用され、美智子上皇后陛下がご成婚時にプラチナのティアラを着けていらっしゃったことから一気に注目を集めた

日本人のプラチナ好きに関しては、「世界の結婚指輪事情を調べる」で詳しくご紹介しています。

プラチナは、どのような視点で捉えるかによって全く異なる顔を見せてくれます。誰の評価でもなく自分の価値観を大切にすることで、結婚するふたりの指輪はより一層の輝きを放つことでしょう。

まとめ

金とプラチナはそれぞれの特性に違いはあるものの、以前と比べて値上がりしていて今も高値で推移しています。
結婚指輪や婚約指輪として選ばれる金やプラチナには、相場では計れないプライスレスな価値があることは言うまでもありません。それに加えて資産としての価値もあると考えると、より一層大切にする気持ちが湧いてくることでしょう。左手薬指にパートナーの愛と相場の重みを感じながら、新婚生活をますます輝かしいものにしてくださいね。