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両家顔合わせ時に気をつけたいマナー

両家顔合わせ

はじめに

結婚が決まり、それぞれの両親に報告、挨拶が済んだ後、多くのカップルが次に行うイベントが「両家顔合わせ」です。
両家が初めて会う「顔合わせ」は、相手の家族がどのような人たちなのかを知り、両家の距離を縮める大切な場。
しかし初めてのふたりにとって、顔合わせを成功させるためには何をどのように準備したら良いのか戸惑うことばかりです。

今回は両家顔合わせで押さえておきたい準備の方法から、お互いの家族に良い印象を持ってもらうためのマナー、服装や手土産、持ち物、ふさわしい話題などについて詳しくご紹介します。

1.両家顔合わせって何?

両家顔合わせとは、婚約を決めたカップルがお互いの家族を引き合わせて結婚の確認をし合い、良好な関係を築いていくために設ける場のことで、主にホテルやレストラン、料亭で食事を楽しみながら行います。

お互いの両親が初めて顔を合わせて話をする機会であり、その印象次第では後に続く結婚式や新婚生活にまで影響を及ぼす可能性もあります。
顔合わせは両家にとって最初のコミュニケーションの場。ここで良い関係を築いて、結婚へ向けての道のりを明るくスタートさせましょう。

1-1.結納と両家顔合わせの違い

結納と両家顔合わせは一見同じように思われがちですが、基本的な位置づけが大きく異なります。

結納は古くから日本の伝統行事として行われている儀式であり、両家の間で結納金や結納品が取り交わされます。
正式結納が仲人が両家を行き来して婚約を成立させるのに対し、略式結納は両家が女性宅または会場に集まって行われます。現在は簡略化が進み、略式結納の中でもさらに仲人を立てないスタイルが主流です。どちらにしても一連の決まった流れにのっとって、厳粛な雰囲気の中で進行されます。

両家顔合わせは結納のような格式ばったものではなく、文字通り両家の顔合わせや親睦を深めるために行われます。会場はホテルやレストラン、そして料亭が一般的で、いわゆる食事会の要素が強く、特に決まった儀式はありません。一般的にこのタイミングで婚約指輪のお披露目や婚約記念品の交換をします。

1-2.そもそも両家顔合わせって必要?

以前は結納を交わした後に両家顔合わせを行う流れが基本でしたが、時代の流れとともに簡略化が進み、現在ではよりカジュアルな両家顔合わせのみを実施するパターンが増えてきました。

両家顔合わせは絶対に行うべきものではありませんが、結納を省く今、結婚前にお互いの家族間で挨拶できる貴重な場であることは確かです。
結婚するふたりにとっては少々堅苦しく、セッティングする手間も面倒に感じてしまうかもしれませんが、勝手に「する、しない」を決めてしまうのは危険です。

親の立場としては、
“早く先方の両親と会ってきちんとご挨拶をしたい”
“どんなご家庭なのか気になるし早く知りたい”
“当人同士だけでなく家族ぐるみで仲良くしたい”
など、何かと気になってしまうものです。

両家顔合わせを実施するか否かは、地域のしきたりや互いの両親の考えもくみ取って、皆が納得する結論を出しましょう。

2.両家顔合わせの準備の流れ

両家顔合わせを成功させるためには、準備をしっかりとしておくことが大切です。
段取りが悪かったために当日の雰囲気が壊れてしまったり、それぞれの家族に不満が残ってしまったりしては、せっかくの晴れやかな場が台なしとなってしまいます。

安心して当日を迎えられるよう、具体的な準備を確認していきましょう。

2-1.まずは目的をはっきりさせる

顔合わせの準備に取りかかる際、まずは当日の目的をはっきりとしておきます。
結納代わりの改まった厳粛な形とするのか、両家の交流が主な目的のカジュアルなスタイルにするのか、方向性が決まっていないとお店選びや当日の進行で迷ってしまいます。

大切なのは、この段階でそれぞれの両親に顔合わせの主旨を伝え意見を聞いておくことです。あらかじめ両家の考えを取り入れながら土台となる部分をしっかり固めておくと、事がスムーズに運びます。

2-2.日にちを決める

両家顔合わせは結婚式の6カ月前後に行うのが一般的です。遅くとも式の3カ月前には実施しましょう。
日にちを決めるときは、それぞれの両親に予定を確認し、都合の良い日を何日か候補日として挙げてもらいます。または結婚するふたりから候補日をいくつか提示して、両親の都合の良い日を選んでもらっても良いでしょう。

2-2-1.ところで仏滅はダメなの?

顔合わせの日にち決めでは、両家に気にする人がいなければ、特に六曜(六輝)にこだわらなくても問題ありません。
ただし、家族の中に縁起を担ぐ人がいるのであれば、仏滅や赤口は避けた方が無難です。
六曜(六輝)で婚姻関係の行事に「良いお日柄」とされている日は「大安」と「友引」です。その他「先勝」なら午前が、「先負」なら午後が吉の時間と言われています。

本人たちは信じていないから日柄を考慮する必要はないと考えていても、家族に気にする人がいるのであれば、気遣いの心を持って対応することももめ事を作らないコツです。

2-3.場所を決める

顔合わせの日程が決まったら、次に開催場所を選びます。
両家の地元が離れている場合は、お互いの負担を平等にするためにそれぞれの中間地点を選ぶなど、出やすい場所を検討します。

ただし、いくら中間地点だからといって、相互にとってなじみのない地域では土地勘もなく、準備を進めにくいという問題点もあります。どちらかの地元まで来てもらう場合は交通費や宿泊費の負担を考慮して、会食代は来てもらった側の家が持つなどの気遣いを忘れないようにしましょう。

2-3-1.お店選びのポイント

お店はホテルやレストラン、料亭などが一般的です。結婚式の場所がすでに決まっている場合は式場内のレストランを予約して雰囲気をつかんだり、結婚式のイメージを膨らませるための下見を兼ねたりしても良いでしょう。

お店選びのポイントとして以下のことを参考にしてください。

  • ゆっくりくつろげる個室にする
  • 両家の食事の好き嫌い(和食が好き、こってりは苦手など)を考慮する
  • 苦手な料理やアレルギーなどで食べられない食材がある場合、差し替え対応してくれるか確認する
  • 会話が楽しめるよう、にぎやか過ぎたり静か過ぎたりする場所は避ける
  • 時間に制限があるような店は避ける
  • 落ち着かないためビュッフェ形式は避ける
  • 両家の交通手段を確認し、アクセスの良さも検討する(例えば電車移動なのにお店が駅から離れていては負担がかかりますよね)。

人気のお店や日柄の良い日は予約が埋まりやすいため、お店が決まったら1カ月前を目安に予約しておきましょう。

2-3-2.祝い膳とは

祝い膳とは本来、結納が済んだ後にふるまう食事のことをいいます。尾頭付きの鯛や赤飯、はまぐりのお吸い物など、おめでたい素材や料理を取り入れた懐石料理が王道でしたが、現在では和食のみならずフランス料理やイタリア料理などの洋食、中華料理にも祝い膳があります。

最近では結納の場だけでなく、よりカジュアルな食事会の席でもメニューとして用意しているレストランは多く、お店によっては両家顔合わせの会食で気軽に祝い膳を囲むことも可能です。

祝い膳は、顔合わせの場が一気におめでたい雰囲気となり、幸せに満ちた空間を演出してくれます。両家のご縁のつながりをより一層実感できて良い思い出にもなるため、しきたりやけじめを重んじる両親には特に好評です。

2-4.費用分担はどうする?

食事会にかかる費用は料理代や飲み物代、個室料など合計で1人当たり1万円~1.5万円くらいが一般的です。
どちらかの両親が負担したり両家で折半したりするパターンもありますが、当事者ふたりが負担して家族を招待する形も増えています。

また、両家間の距離が遠くどちらかが遠方から出向いてきた場合は、宿泊費や移動費を来てもらった側が負担するなどの気遣いが必要です。

一番避けたいことは、当日、支払いの場になって「こちらが払う」「いや、私たちが払う」ともめることです。どの支払いは誰が負担するのかをあらかじめ決めておき、両家ですり合わせておくと良いでしょう。

2-5.当日の服装

当日の服装は、会った瞬間に相手の印象を良くも悪くも決定づける重要な要素です。失礼のないきちんとした服装で最初に好感を持ってもらえると、その後の挨拶も和やかに進み、食事会自体が良い雰囲気に包まれます。

結納ほど格式ばった雰囲気ではありませんが、両家顔合わせは結婚へ向けての節目となる大切な場です。
両家が初対面の場合はもちろんのこと、すでに面識のある相手でも、改まった気持ちを表現するためにその場にふさわしい服装で臨む姿勢をもちましょう。

2-5-1.大事なのは両家のバランス

顔合わせ時の服装選びで最も大切なことは、両家のバランスです。
例えば女性が振袖を来て、男性がジーンズをはいていたらどうでしょう。
両家の服装の格が合っていないとちぐはぐな印象を受けてしまい、お互いに落ち着かない雰囲気となってしまいます。

また、当日は記念写真を撮ることも多く、服装のテイストが違っていると両家が並んだ写真にも違和感が生まれてしまします。

顔合わせの目的や予約したお店の雰囲気を考慮し、どのような服装にするのかを事前にふたりで話し合って、それぞれの家族にも伝えて両家で示し合わせておくと安心ですね。

2-5-2.女性の服装

女性の服装は、品よく清楚なイメージを心がけます。ワンピースやスーツがふさわしいでしょう。
派手な柄や黒っぽい色は避け、爽やかで明るい印象となる色合いを選びます。
食事会の場所がお座敷の場合は特に注意が必要です。座布団に正座をすることを考えると、タイトスカートやパンツスーツは不適切といえます。

せっかくだから振袖を着たいという場合は、両家の格を合わせるという点に注意しなくてはいけません。振袖は未婚女性にとって一番格式の高い正装となります。振袖を着るなら両家もそれなりの服装をする必要があります。

また、次のような点は特に注意しておきましょう。

  • 肌の露出に気をつける(暑くてもミニスカートやナマ足はNG)
  • 食事の妨げとなるため香水はつけない
  • 大ぶりのアクセサリーは控える
  • 派手なネイルは控える(食事の席では手元は特に目立ちます)

何より大切なことは清潔感です。相手が不快な気持ちにならないか、常に客観的な視点に立って服装を選ぶ気持ちが大切です。

2-5-3.男性の服装

男性の服装はスーツが基本です。色は紺やブラック、チャコールグレーなどのダークスーツでシンプルなデザインを選びます。
靴下はスーツの色に合わせると無難です。ビジネスで着用しているスーツでOKですが、ネクタイやシャツで華やかさをプラスしても良いでしょう。女性の場合と同じく、大切なのは清潔感です。シャツにアイロンはかかっているか、ズボンはきちんとプレスされているか、汚れやほこりなどが付いていないか、入念にチェックしておきましょう。
食事の席では手先は目立ちます。爪が伸びていたら切っておくことも忘れずに。

両家ともに格式ばらずカジュアルな雰囲気で統一する場合でも、ジャケットは着用します。
真夏の席ではクールビズにのっとり、ネクタイはなくても問題ありません。ただし一方だけネクタイをしていると不自然です。ノーネクタイにするなら、両家間で話をしてそろえるようにしましょう。

2-5-4.両親の服装

親たちの服装も、両家で格を合わせておくことが大切です。一方が正装の留袖でもう一方がカジュアルなパンツではお互いに落ち着かない思いをしてしまいます。
あらかじめどのような格好で行くか伝えておくと安心です。まだ会ったことのない家庭であれば、当事者のふたりを通して確認するとスムーズです。

母親の服装に決まりはなく、洋装でも和装でも構いません。ただし、主役はあくまで結婚するふたりです。光る素材のジュエリーは控えめにするなど派手にならないように注意して、品よく落ち着いた装いを心がけましょう。
母親の服装はその家庭のイメージに直結します。
両家のお付き合いを良い印象でスタートさせるためにも、母親の服装は特に気をつけたいですね。

父親は当事者の男性同様にスーツを着用します。両家でカジュアルなスタイルと申し合わせている場合は、ジャケットスタイルでも失礼ではありません。
いずれの場合も、「こちらはこのような格好で行こうと考えています」と具体的に先方へ伝えておくと“当日、相手方とのバランスは大丈夫かな……”といった不安を抱えなくて済みます。

2-5-5.親族や兄弟の服装

兄弟や祖父母などの親族が参加するときの服装は、両親と同じイメージで用意すると失敗しません。
兄弟が学生の場合は制服で参加しても良いでしょう。

相手側の家族は“どのような人たちだろう……”と初めて会う親族に興味津々です。
第一印象は相手の心に強く残り、いつまでもそのイメージが続きます。
両家顔合わせの場では最初に好感を持ってもらえるよう、「自分のおしゃれ心」は二の次、「相手が不快に思わないこと」を第一に服装を決めましょう。

2-6.当日の流れを決める

両家顔合わせの当日の流れは、結納のような決まった形はありません。ふたりで自由に決めて構いませんが、ただ食事をするだけでは物足りないですし、その場も間延びしてしまいます。
食事会をより思い出深い記念日とするためには、きちんと進行を決めて工夫する努力も必要になってきます。

ここで、顔合わせ食事会の一般的な流れを押さえておきましょう。

2-6-1.両家がお店に到着

それぞれの家族がそろって到着すること望ましいです。
5分前に着くことを目安に計算しましょう。
最初に遅刻してしまうと、印象が良くないまま食事会のスタートを切ってしまう羽目になります。早め早めの行動を心がけることが肝心です。
交通事情などで遅れてしまいそうなときは、先方とお店にその旨を伝えておき、到着したら挨拶とともにお詫びのひと言を添えます。

2-6-2.席に通されたら改めての挨拶と手土産交換

席に通されたら、改めて挨拶します。挨拶は椅子に座る前、立ったままで行います。テーブルを挟んでの挨拶は望ましくありません。相手との間に障害物がない状態で、きちんと相手の目を見てゆっくりとしたスピードで話します。
お座敷の場合は、座布団を使わずに挨拶するのがマナーだということを覚えておきましょう。

2-6-2-1.席次

席に座るときは席次にも気を配ります。
入り口から一番遠い席が上座となり、そこに新郎側の父親が座ります。その隣に新郎母、新郎と続きます。
入り口側の並びが新婦側の席です。奥から新婦父、新婦母となり、入り口に最も近い席(下座)が新婦の席です。

ただし、新婦側の両親の方が年上の場合や、立場の違いによっては座る場所が変わることもあります。
また、話がしやすいように主役の娘・息子を挟んで両親が座るケースもあります。
基本を理解した上で臨機応変に対応できたらスマートですね。

2-6-2-2.手土産の渡し方

挨拶が済んだら手土産を渡します。手土産は紙袋や風呂敷から出して両手で渡すのが正式な渡し方です。ただし、お互いの自宅へ行く場合と違い、持ち帰るときのために紙袋や風呂敷は渡した後に添えましょう。

のしは付けても付けなくても構いません。
付けるときは紅白の結び切りの水引を選び、上には「寿」または「御挨拶」、下には家族の名字を書きます。
のしは手土産を買ったお店で付けてくれることが多いため、お店の人に目的を伝えて包装と一緒にのしをお願いするのもいいでしょう。

手土産は、片方の家だけ用意していては気まずい空気が流れます。
服装のときと同様、事前に準備するかしないかを打ち合わせておくことが大切です。

2-6-3.始まりの挨拶

始まりの挨拶は、当事者主宰の場合は基本的に新郎がしますが、ふたりで行っても微笑ましく場が和みます。
親が主催者の場合は、新郎の父親が挨拶をして場を進行させます。
緊張の一瞬ではありますが、話す内容によってその場の空気がガラッと変わります。
本番で頭が真っ白にならないよう、事前にどのように話すかを考えておくと安心です。

【始まりの挨拶の一例】
「本日は私たちふたりのためにお集まりいただき、ありがとうございます。今日はお互いの家族のことをよく知り、親睦を深める良い機会として過ごしていただけたらと思っています。あまり気取らずに、皆さまにとって楽しい会となれば私たちも嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたします」。

2-6-4.家族紹介

両家の家族紹介は、新郎の家族側から行います。
当事者から父、母を紹介するパターンと、父母本人が自己紹介するパターンがあります。どちらも失礼ではありません。
名前の他に仕事や趣味、出身地、その他両家に共通する話題があれば積極的に取り入れましょう。

顔合わせの場に出席していない兄弟や親族がいたら、このタイミングで話しておくと家族への理解がより深まります。

2-6-5.婚約記念品の交換とお披露目

婚約記念品がある場合は、ここで交換またはお披露目をします。

ちなみに婚約記念品は、新婦には婚約指輪、新郎には腕時計が王道です。
何といっても家族たちは、どのような品物が贈られるのか楽しみにしているはずです。
両家の前で改めてお披露目し、食事会の間はずっと身に着けていると、幸せな空気が広がって会話も弾み、場がますます盛り上がるでしょう。

婚約記念品が間に合わない場合は、「○○をふたりで選びに行く予定です」と報告したり、スマホに撮影した画像を見せたりするだけでも家族は嬉しいものです。遠慮なく発表してください。

2-6-6.記念撮影

記念撮影のタイミングはいつでも構いませんが、食事の前に1度は撮っておくことをおすすめします。
時間が長く経過すると、女性はお化粧や着くずれが気になってきます。また、男性にとっても食事が進んでお酒に酔う前のきりっとした表情を残しておきたいもの。

婚約記念品を前にした瞬間や、改まった姿勢や会話を楽しむ自然な様子など、このタイミングでたくさん撮っておきましょう。
後日、お礼状とともに両家へ送ると家族にとっても良い記念となります。

2-6-7.乾杯後に食事、そして歓談

食事は乾杯からスタートします。乾杯の音頭は、始まりの挨拶と同様に新郎か新郎の父親が取るケースが一般的です。

食事は美味しくいただき、会話を楽しむことが一番です。
相手に失礼のないよう基本のマナーを押さえたら、会話に花を咲かせましょう。

2-6-7-1.食事のマナー

両家顔合わせの食事は互いの親睦を深めるための形式にこだわらない場ではあるものの、食事のマナーに不安があっては会話も心から楽しめません。
先方がしきたりや作法にうるさいタイプでなければ重箱の隅をつつくような細かい所作は必要ないとしても、相手に不快な思いをさせないよう最低限の食事のマナーは押さえておくと安心です。

◆和食のマナー
・小鉢は手に持って食べてOK、平皿や大皿は手に持たない
・お造りは手前の淡白な白身から奥へと食べ進める
・お吸い物のおわんのふたは返してからテーブルに置く
・焼き魚は頭から尾に向かって食べる
・忌み箸に注意
迷い箸(どれを食べようかとお膳の上で箸を迷わせること)
差し箸(料理を突き刺すこと)
寄せ箸(箸で皿や小鉢を引き寄せること)
ちぎり箸(箸を1本ずつ両手に持って料理をちぎること)
など

◆洋食のマナー
・ナプキンは首にかけない(小さい子供はOK)。半分に折って輪の部分をおなか側、端を膝側へ
・スープを飲むときは音を立てない
・肉料理や魚勝利は左から一口ごとに切って食べる
・ナイフとフォークは、食事の途中ではハの字、食べ終わったらそろえて置く
・ワインを注いでもらうときはグラスを手に持たない

◆中華のマナー
・円卓の場合、回転テーブルに自分のグラスや小皿を置かない
・回転テーブルの料理を立って取らない
・レンゲ以外は手に持って食べない

2-6-7-2.おすすめの話題と避けたい話題

会話を楽しむために、おすすめの話題と避けたい話題を知っておくことは重要です。
話の内容次第で両家の距離がぐっと近くなることもあれば、たった1つの話題でその場が凍りつく事態も起こり得ます。
その後の関係に影響を及ぼさないよう、失言には気をつけましょう。

◆おすすめの話題
・当事者の子供時代の思い出
・結婚式に向けての話
・家族の思い出
・学生時代のエピソード
・趣味
・天気
・旅行
・明るいニュース
・住んでいる地域のこと

◆控えるべきNG話題
・政治や宗教について
・暗いニュース
・自分の家族の失敗話
・長々と続く自慢話
・元カノ、元カレの話題

2-6-7-3.会話を盛り上げるためのポイント

顔合わせの食事会で会話を盛り上げるためには、聞き役に回る姿勢が大切です。
しかし、ただ聞いているだけでは、話は続きません。
話の合間に「ええ」「そうなんですか」「なるほど」「すごい」「わかります」など、相づちや共感の言葉を差し込みます。

少し前傾姿勢で相手の目を見ながら笑顔で聞くと、相手は“楽しく聞いてくれている”と感じてどんどん話が弾みます。

反対に、腕組みをする、椅子にもたれかかった姿勢、時計を見る、窓の外を見るなどの振る舞いは「あなたの話に興味がありません」と言っているようなものです。そんなつもりはなくても相手に不快な思いをさせてしまう恐れがあるため、油断は禁物です。

2-6-8.結びの挨拶

食事が済み、一通り会話を楽しんだら結びの挨拶で締めくくります。
「終わりよければ全てよし」というように、最後の挨拶をビシッと決めたら、余韻とともに“良い時間を過ごせた”という満足感が両家に広がります。
なんとなく終わって解散した……という印象しか残らなかったら、これまでの時間も台なしとなってしまいます。
結びの挨拶は感謝の気持ちをきちんと伝え、明るい未来が頭に浮かぶような前向きな言葉で締めましょう。

【結びの挨拶の一例】
「本日はありがとうございました。こうして互いの家族と交流する時間が持てたことに改めて感謝いたします。これからは結婚に向けてふたりで準備を進めて参ります。今後もみなさんに意見を伺ったり相談に乗っていただいたりすることがあると思います。私たちの1番の理解者として、これからも応援していただけると本当に嬉しいです。どうぞよろしくお願いいたしします」。

2-7.当日の持ち物は?

両家顔合わせの当日、必ず用意すべきものはありません。
だからといって何も考えずに手ぶらで行くのでは面白くありません。場を盛り上げるのもアイデア次第。
楽しく会話を弾ませるお役立ちアイテムとして次のようなものがあると便利です。

  • 子供時代の写真
  • 学生時代の卒業アルバムや文集
  • 結婚式に関する資料
  • 互いの趣味のアイテムや写真

4.第三者って必要?

両家顔合わせでは結納のように仲人を立てたり第三者を呼んだりする必要はありません。
あくまで両家の顔合わせが目的なので、お世話になった人やふたりの縁を結んだ人を連れていくこともふさわしくありません。どうしても紹介したい人がいる場合は別の機会を設けるか、会食後のお茶の席に来てもらうなどの工夫をしましょう。

また、親族としてどこまで呼ぶのかは両家で話し合っておきます。
両親と本人同士、または両親と本人に兄弟を合わせたパターンが主流ですが、祖父母や兄弟の子供(つまり甥や姪)が加わることもあります。

両家であまりにも人数が違う時は気遣いも必要です。両親を交えて事前に相談し、当日急に連れてくるようなことはしないようにしましょう。

まとめ

両家顔合わせを成功させるには、事前の細かな調整が大切です。お互いの家族はまだ面識がない場合がほとんど。つまり食事会がうまくいくもいかないかは、当事者であるふたりにかかっているということです。
日程や場所はもちろんのこと、当日の流れや相手の家族に関することを事前に共有し、参加する皆が楽しめるよう丁寧に準備しておきましょう。

両家顔合わせの食事会の意味は、ふたりのためという側面と、両家・両家族のためという側面の2つを併せ持っています。
自分たちの希望を大事にしつつ両家の願いや要望も取り入れて、誰にとっても心に残る味わい深いひとときをお過ごしくださいますように。